富士見町は、長野県の中でも光害が少ない地域のひとつだ。周囲に大きな市街地がなく、標高が高いため、晴れた夜は肉眼で天の川が見える。ただし「見える」と「よく見える」の間には、いくつかの条件がある。
天の川が見える時期 ¶
天の川は一年中存在するが、日本から肉眼で見やすい時期は6月下旬から9月上旬にかけて。この時期、天の川の中心部(いて座方向)が南の空に高く上がる。富士見町では、7月下旬から8月上旬の新月前後が最も条件がいい。21時頃から南南西の空を見ると、雲がなければ帯状の光が確認できる。
光害と標高の関係 ¶
富士見町の標高1,200メートル付近は、国際暗天協会(IDA)の基準でいうと「ボルトル・スケール4」前後に相当する地域だ。東京(スケール9)と比べると、見える星の数は桁違いに多い。ただし、諏訪市や茅野市の方向には若干の光害がある。南から東の空が最も暗い。
観察に適した条件 ¶
月明かりの影響が最も大きい。満月の夜は、天の川が月の光に消されてしまう。新月の3日前から3日後が最も暗い夜になる。次に重要なのが雲。富士見町は夏に夕立が多く、夜になっても雲が残ることがある。21時以降に晴れてくる夜も多いので、夕方の天気だけで判断しない方がいい。
双眼鏡があると何が変わるか ¶
肉眼で天の川が見えたとしても、双眼鏡を使うと見える星の数が一気に増える。特に天の川の中心部は、双眼鏡で見ると無数の星が密集しているのがわかる。また、夏の大三角(ベガ・デネブ・アルタイル)の周辺には、肉眼では見えない星団がいくつかある。7倍から10倍の双眼鏡が扱いやすい。
星空観察に特別な知識は要らない。暗い場所に出て、15分ほど目を慣らすだけでいい。富士見町の夏の夜は、それだけで十分な空がある。